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03-3974-2122
腐食テスト
材質の違いによる腐蝕の違いを分かりやすくする為、焼入れを行った同形上の
試験片を濃度5%の食塩水に漬け時間の経過ごとに記録したのが下記写真です。

※ 17日後の写真は表面に浮いていた赤錆をウエスで拭取った後の写真です。

  7時間後 2日後 3日後 17日後
SUS440C
SOH64
SKH51
SKS
SK
 
工具鋼材質成分表
  材質 C Si Mn Cr Mo W V Co Ni P S Cu 硬度
高速度
工具鋼
SKH51 0.85 <0.4 <0.4 3.9 4.8 6.1 1.9           63
SKH55 0.9 <0.4 <0.4 4.15 4.95 6.2 1.95 5.0         64
SKH57 1.3 <0.4 <0.4 4.15 3.5 10.0 3.35 10.0         64
SKH59 1.1 <0.5 <0.4 4.0 9.5 1.55 1.15 8.0         66
SKH2 0.78 <0.4 <0.4 4.15   18.0 1.0           62
SKH3 0.78 <0.4 <0.4 4.15   18.0 1.0           63
SKH4 0.78 <0.4 <0.4 4.15   18.0 1.25 10.0         64
SKH10 1.53 <0.4 <0.4 4.15   12.5 1.0           64
合金
工具鋼
SKD11 1.50 <0.4 <0.6 12.0 1.0   0.3           60
SKS2 1.05 <0.35 <0.8 0.75   1.25 (<0.2)           60
SKS3 0.95 <0.35 1.05 0.75   0.75             60
SKS7 1.15 <0.35 <0.5 0.35   2.25 (<0.2)           60
炭素
工具鋼
SK2 1.20 <0.35 <0.5 <0.3         <0.25 <0.03 <0.03 <0.25 63
SK3 1.05 <0.35 <0.5 <0.3         <0.25 <0.03 <0.03 <0.25 63
SK4 0.95 <0.35 <0.5 <0.3         <0.25 <0.03 <0.03 <0.25 61
SK5 0.85 <0.35 <0.5 <0.3         <0.25 <0.03 <0.03 <0.25 59
SK6 0.75 <0.35 <0.5 <0.3         <0.25 <0.03 <0.03 <0.25 56
SK7 0.65 <0.35 <0.5 <0.3         <0.25 <0.03 <0.03 <0.25 54
C = 炭素 Cr = クロム V = バナジウム P = リン
Si = 珪素 Mo = モリブデン Co = コバルト S = 硫黄
Mn = マンガン W = タングステン Ni = ニッケル Cu = 銅
鋼の諸性質におよぼす合金元素の影響
炭素
<C>
C0.6以上ではC量を増加しても焼き入れかたさは増大しないが、炭化物質が増し耐摩耗性を増大さす。
珪素
<Si>
低温焼戻しにおける衝撃抵抗を増大させる。低温の焼戻し抵抗性を増大する。炭素工具鋼に多量に加えると> セメンタイトを黒鉛化し、ぜい化したり可鍛性を害する。少量添加で多少硬さと強度を増す。添加量を増すと 耐酸化性を増す。加熱による結晶粒の成長を防止する。
マンガン
<Mn>
焼入性を増し耐摩耗性を高める。Sによるぜい化性を防止する。多量に加えると焼割れを起こしたり、残留 オーステナイトを生じさせぜい化させる。
クロム
<Cr>
焼入性を増す。炭化物をつくり耐摩耗性を増す。V,Mo,Wなどと複炭化物をつくり、焼戻し抵抗を増大さす。 炭化物は結晶粒の成長をおさえる。耐酸化性を増す。じん性を改善する。
モリブデン
<Mo>
Wの1/2の量でWと同様な性質が得られる。高温硬さ、強度、クリープ抵抗を増す。焼戻し二次硬化性が大である。 焼入性を増大する。焼戻しぜい化を防止する。
タングステン
<W>
600℃までの高温硬さを増す。Crの存在により焼戻し抵抗を非常に大きくし二次硬化を起こす。耐摩耗性を 増大させる。
バナジウム
<V>
結晶粒を微細化し、焼戻し抵抗性を増大させ、600℃までの高温硬さを高める。焼入温度範囲を広くし、焼割れを 防止する。じん性を与え脱灰を防止する効果がある。含有量を増すと焼入性を低下させるので普通2%以下である。 難溶性の炭化物をつくり耐摩耗性刃上昇するが研磨が困難となる。
コバルト
<Co>
マルテンサイト地を強化し、耐摩耗性、高温硬さを増す。多量に加えるとぜい化するが、Vの添加により防止される。
ニッケル
<Ni>
少量添加でじん性を増大させるが、多量に加えると残留オーステナイトを生じぜい化する。焼入性を増す。黒鉛化を助長する。
リン
<P>
衝撃抵抗を低下させる。
硫黄
<S>
熱間加工性を害する。Mn,Moと結合して工具の被削性、研磨性をよくする。ただし、じん性を害する。

<Cu>
赤熱ぜい性を起こす。黒鉛化を助長する。鍛接性を害する。
ぜい化:もろくなる現象
セメンタイト: 高温において鋼中に生成する炭化鉄で非常に硬くて脆い性質を持っている。
じん性: 粘り強さ
クリープ: 一定の応力または荷重のもとで時間の経過とともに、材質が変化する現象。一般に高温度になるほどこの現象が盛んになる。
焼戻しぜい性: Ni,Crなどを焼戻しする場合、300℃、500℃附近の温度を保持したり、その温度域を除冷したりすると硬さには特別変化がないにもかかわらずじん性が低下する現象。
マルテンサイト: 焼入組織の代表的なもので、鋼の熱処理組織のうちでもっとも硬くてもろい。鋼が焼入で硬くなるのはこのマルテンサイト組織になるからである。
オーステナイト: 鋼をA1変態点以上に加熱(726℃)以上に加熱したときに得られる組織で、焼が入らないので硬さはマルテンサイトよりも小さいが、軟らかく粘っこい。
赤熱ぜい性: 高温で加熱した場合、もろくなる現象。
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